80光年のヴァンライフ:4

 

次の目覚めはよくなかった。質量近接警報器のブザーがレコーディング用に設定したままだったボリュームでとてつもない音量でなってしまった。
偵察隊にこんな目覚めまで狂わされたことに悪態をつきながらコンピューターに目をやると、なんと目的地へ半分も近づいていないではないか!
さらに、私の質量近接警報器を忌まわしく叫ばせたのは。。。。レーダー、識別信号に過去の接触履歴あり?あのベスパ野郎か!!!

「ちょっと、なんでこんなところにまでついてきて、何の用よ!航行ログはもう見せたし、コピーは取ったんでしょう!」
「それはこっちのセリフだ。私はただ、まだ宙族の潜んでいる可能性のある輸送船が到着したとの情報が入ったので、直近の駅を偵察に向かうところだったのに、こんなに近づいてきて一体君のガイダンスコンピュータ(G.C.)はどうなってるんだ?」

確かに変だ、たまたま私とあのベスパ野郎の行き先がたまたま一緒だったことは仕方ないにしても、G.C.はデブリなんかと衝突しないよう自動的に質量物を避けて航行するように航路を計算するはず。
相当な速度で接近するような質量物でない限りは。。。!
「しまった!今すぐここをそれて!」
「なんだ、どうしたっていうんだ!」
「ここは危ない、とんでもない質量物が向かってきているわ!それもとんでもないGで加速しながら!」
「いったいなんだこれは。。。!まにあわない!」
「コンテナ!」
本来動力のないはずのそれがそのようなGで飛んでくることのないことに驚く間もなく、それは我々の船の近くのデブリに衝突し、二人のG.C.に設定されていた航路をオートでは計算しきれないほどめちゃくちゃにしてしまった。
そのコンテナから飛び散った破片と、デブリの破片を取り除かなくてはここからしばらくは動けないほどに。