80光年のヴァン・ライフ:5

うーん、いろいろと誤字脱字なんかが多くてすみません。

それと、不定期更新。

 

なんというか、このSFを書くにあたって手続型プログラミング的な物書きから得られるインスピレーションにはあまりとらわれないようにしています。というか、74年からしばらくのマイコン伝説は大好きなので、一つ一つの単語がビットを動かしていく感覚というか、そういうのはむしろ大好きなんだけど、これから仕事でやっていくことになると、きっと、嫌には絶対ならない自信はあるけど、少しもっと、

スピリチュアル的というか概念的というかとらえづらいけど確かに在る感覚みたいなものにもっと目を向けてみたいなってのが、SFを書き始めた動機なんです。

 

だから、ちょっとつたない文章だけど、勘弁してつかぁさい。

 

 

そうはいっても、読んでてつまらないものになってしまうのも自分のモチベーションにつながるんじゃないかってことで、以降同人誌なりなんなりかで、形にできたらなってな意味も含めて、Texに起こすことも始めてみました。

完成したら売ろっかな。笑

 

その過程で、当初もっと雑多だった構成が固まってきたので、ほんとはこの5で終了だった80光年のヴァンライフですが、もうちょっとつづきます(そんなこと気にしてる人そもそもいるのか知らんけど笑)。

 

そうそう!プラネタリウムに小学校だか以来に行ってきて、すごくよかったんです。

宇宙創っちゃえてるよね。。。あのシステム。。。すごいよねぇ。

 

では、続きです。今回は物語の入りがなんだか不穏な空気だけど、楽しんで!笑

 

80光年のヴァンライフ:5

状況は最悪だった。デブリやコンテナの破片のぶつかった場所がよくなかったため、本来航路整備用のアームが私のものもベスパ野郎の分も全く動かなくなってしまっていた。
そのため、ほとんどのデブリを自身の腕とバックパックで処理しなくてはならなかった。

何より、大きいやつはバックパックイオンエンジンではどうにもできなかったし、燃料を温存したい今、大きいデブリを利用して細かいデブリを一掃して航路を確保するというような荒業が使えない。こういったデブリに取り囲まれた時の正攻法が使えなかったのだ。

しかし、コンテナ飛び出したらしきものは、燃料にはならなかったがこれまで訪れてきたどんな駅にあったジャンクと似ても似つかない、見たことのないものばかりだった。

”EmergencyFood”と書かれたパッケージからは個体とも液体とも言えないゲル状の茶色いものが飛び出していたり、汎用航行機にはめったに使われることのないビス用の特殊工具!

(これがもっと早く手に入っていれば、これまで泣く泣く見逃してきた難破船のパーツがいくら引っぺがせたか・・・)

ともかく、さしあたっての使いどころは迷うが、目新しいものはたくさんあったので、ポシェットに入りそうだった珍しいものをベスパ野郎の目を盗んでちょめちょめしておいた。

「おい!なにかいったか?」

「なにもいってないわよ、うるさいわね。」

「悪いがそっちのゲインを下げてくれないか。なんだか聞いたことのない声がする。80MHzを聞いてみてくれないか」

ガガガ・・・長らく回すことのなかったロータリースイッチを75±10Megのレンジに合わせて、しばらくファインノブをじりじりと行ったり来たりさせる・・・

「・・・いて!・・・きいて!!・・・きいて!!!!ここにいちゃいけない!今すぐ逃げなくては!」

今のは?!
ベスパ野郎もこれを聞いたようで、先ほどまで不機嫌にそっぽを向いていた互いは目を見合わせてそれを悟る。

「二人とも、彼女の船に戻って!あなたのベスパはもう動かない・・・」

「おまえは誰だ?どこから発信している?船の識別信号がないぞ、ライセンスを見せてもらう!」

目の前に突然現れたのは、宇宙空間にはあまりに異様な、愛らしく勇ましいモフモフの物体だった。

80光年のヴァンライフ:4

 

次の目覚めはよくなかった。質量近接警報器のブザーがレコーディング用に設定したままだったボリュームでとてつもない音量でなってしまった。
偵察隊にこんな目覚めまで狂わされたことに悪態をつきながらコンピューターに目をやると、なんと目的地へ半分も近づいていないではないか!
さらに、私の質量近接警報器を忌まわしく叫ばせたのは。。。。レーダー、識別信号に過去の接触履歴あり?あのベスパ野郎か!!!

「ちょっと、なんでこんなところにまでついてきて、何の用よ!航行ログはもう見せたし、コピーは取ったんでしょう!」
「それはこっちのセリフだ。私はただ、まだ宙族の潜んでいる可能性のある輸送船が到着したとの情報が入ったので、直近の駅を偵察に向かうところだったのに、こんなに近づいてきて一体君のガイダンスコンピュータ(G.C.)はどうなってるんだ?」

確かに変だ、たまたま私とあのベスパ野郎の行き先がたまたま一緒だったことは仕方ないにしても、G.C.はデブリなんかと衝突しないよう自動的に質量物を避けて航行するように航路を計算するはず。
相当な速度で接近するような質量物でない限りは。。。!
「しまった!今すぐここをそれて!」
「なんだ、どうしたっていうんだ!」
「ここは危ない、とんでもない質量物が向かってきているわ!それもとんでもないGで加速しながら!」
「いったいなんだこれは。。。!まにあわない!」
「コンテナ!」
本来動力のないはずのそれがそのようなGで飛んでくることのないことに驚く間もなく、それは我々の船の近くのデブリに衝突し、二人のG.C.に設定されていた航路をオートでは計算しきれないほどめちゃくちゃにしてしまった。
そのコンテナから飛び散った破片と、デブリの破片を取り除かなくてはここからしばらくは動けないほどに。

 

80光年のヴァンライフ:3


ベスパ偵察モービルに乗った細身の男。
ヘルメットとキリとした面長なかおの間からは、刈り上げの頭が覗いている。
彼の言うところによると、このセクター一体では輸送船の貨物が盗賊被害が頻繁に発生しているらしく、私のことを完全に疑っているようだ。

「そうはいってもね、ご婦人ここら一体で位置情報を持った船はあなたと後いくつかの遺留船だけなんですよ。そのうち8割はもう私がこの目でとてもではないが人間の立ち入れるような状態ではないことを見てきたのです。連邦基地では。。。」
「確かに目的もなくこんな辺境な宙域をさまよっていることを不審に思うなとは言わないわ、だけどこのヴァンにどれだけの物資が乗るように見える?私が必要なのは、しばらく次の駅を見つけるまでに必要な食料と、
太陽光パネルのバイパスダイオードのスペア、それからこのギターとレコーディング機材だけよ!」
「盗まれたのはそう容積の大きいものでもないのです。積み荷を少し見せてくれればそれでよいというわけにもいかないのです。それに、その小回りの利くヴァンをうまくやって輸送船の死角に入りどこやらの闇商にうっぱらってしまっている可能性だってあるわけでしょう。」
「わかった、わかったわ。。。私のログを見せるから、もうこれ以上私を拘束しないで頂戴。。。こんな美しいアステロイドの中にいるのに、理不尽な尋問だけにバッテリーの寿命を費やしたくないの。
もうすぐ次の駅を探さないと、バッテリーの寿命も食料も尽きてしまうわ。」

彼は私のヴァンのコンソールポートに偵察局標準のチェストコンピューターをつなげて、私の航行ログを数拍ほど見やる。
地球基地上空局からのとてつもないログに少し驚いたようにも見えたが、どうやら圧縮・解析をかけてそれらしい航路がないことを確認したようだ。

「よし、あなたの航行の目的が不明であることを不審に思うことは変わりないが、私には私の仕事がある。いってもよい。」
「最後まで一言余計なのね。さようなら。」

私と若い男は互いに互いが潔くその場を後退し離れるのをにらみながら、自分の船へと後退していった。
すっかり冷めきってしまった私はエアロックのスタンドにトリプルオーを丁寧にしまい、スーツを脱ぐ。
貴重なテープに嫌な気を録音してしまうのは気が進まなかったので、リールを止めて、次の食糧調達地点になりそうな駅を前方の方向にあたりをつけ、コンピュータにセットする。
このセクターではより端っこのほうで、元来た地球からは一番遠い区画だ。バッテリーには少し余裕があったが、食料にはもう少し余裕が欲しかったため、私はコールドスリープに入って時が来るのを待つことにした。。。

 

 

80光年のヴァンライフ:2

投稿2回目です。

 

半ば勢いでいっぱつ目を投稿しましたので、あまりはっきりとした目的を持っていませんでしたが、一週間経ってみて思ったのは。。。

やっぱり楽しむなら目一杯やらなくちゃなって感です。

 

ここで一方的に書きなぐったSFを上げるだけ上げておしまいってのじゃ、続かないだろうし、とりあえずの第一目標は何らかの形で販売することにしてみようかな。

誰かに買ってもらうため、とかもうけをだしたい!

ってことじゃなくて、貯金を使って趣味の延長でやってる珈琲屋さんみたいな感じで、やってみたい。

 

世界観ばかり考え続けるのも、インスピレーションというか、ネタのインプットとか発想とかが追いつかないと、文章が薄っぺらくなってしまうので、文章を上げる方法も推敲をしてみようとおもいます!桜坂洋さんはMeadowとかTeXを使っていた、なんてのを聞きかじったので、フリーソフトウェア運動に貢献したいという感を自分の中で盛り上げ続けていくためにも、

縦書きTeXに取り掛かっていこうと思います。

 

なんだか話題がそれてしまったような気もするけど、いつか僕らも自家用車で月旅行したいですな!

それでは前回の続きです。

 

80光年のヴァン・ライフ:2

 


ボブ・ディランに憧れた私は、ハーモニカとギター一本で世界の民謡を集めて回ることが夢だった。


はじめのうちは自分で彼らの演奏した曲を自分で弾けるようになることが喜びだったのだけれど、大学で電子情報通信を学ぶうち音声信号としての楽器に興味は移っていた。
特にレコーディング技術に関しては趣味としても学としても興味深い。
エアロックの外はこのヴァンと、星星の輝きを除いて、はるか無限遠まで壁のない、完全な無響室なのである!
私はこのooo-28のブリッジに豪快にピックアップを取付け、ヘルメットのマイクとでスペースフォークソングを奏でるために旅をしているのだ。

それぞれの駅にはそれぞれの中域の歴史が遺されている。
先月の生活物資を調達した駅では、銀河スケールの大規模な疫病感染があったらしく、そこら中に壁や地面がアルコールまみれで、ちょっとでもバッテリーの接続スパークが飛ぼうものならそこらじゅうが火の海になってしまい、11光年を旅して見つけた食料が消し炭になってしまう…なんていうこともあった。
この冷酷な宇宙で地に足をつけず生き延びていくためには、ギターばかり弾いてもいられないのが現実だった。
それに、出発した地球から持ってきた非常用携帯食料が残り少なくなって来た。そろそろどこかの星に継ぎ足しに行きたいとも思ったが、ふとルーフウインドウを仰ぐと、自分が素晴らしく輝くアステロイドの中にいつの間にかいることに気がつく。

私は長らくその一から動くことのなかった自動航行用のレバースイッチをピックを持っていない余った薬指で倒す…
そして、自動が止まり、推進Gによる重力が切れる前に地上から持ってきたペダルスイッチを踏み込む!
私のスペースooo(トリプルオー)のピックアップのファンタム電源が入り、ヘルメットのビルトインフォンを軽やかにポンと小突く。
完全に全体が逆噴射を終え、美しきアステロイドの中にその躰を寄り切ったとき、私はもともと中間基地局へのピング送信用スイッチだった赤いボタンを押し、レコーディングを開始した。

クルクルとテープが回り始める…これは、連邦基地におくるメッセージパイプ用の小さなカセットタイプではない。
一度に録音できるトラック数を増やすため磁気テープの幅がメッセージテープの連絡という会話内容が伝わりさえすれば良いという、それよりも3.5倍も幅広なものだ!
これを見つけたのは前々回の食料補給のときの駅だ。
あのときは運良く質量の大きな恒星の間に出ることができて、ラグランジュポイントには素晴らしいジャンク(宝の山)が手つかずだった。
レコーディング用のヘッドはメッセージパイプ用のものを流用してはいるが、その他レコーディングに必要な回転機構…リバースや定回転用コントローラーは、大学時代に培ったメカトロセンスと、本来船体の予備パーツ用の金属プリンターで自作したものだ。

テープに収められる振幅に余裕ができ、音質の向上になることはもちろん。だが私は何より、もうこの宇宙であのラグランジュポイントにしか残っていないかもしれない最高のジャンクを、最高の技術を持ってして自らレコーディングできる状態にし、
自分の大好きなボブ・ディランを儚くも吹き込むことができるというその連続時間を作れるというシステムが、合理性を超えて気に入っていた。

1、2コーラスほどリハーサルに虚しくつまりつつレコーディングできたところで、けたたましく質量近接警報機が割り込む…

 

自主創作SF_80光年のヴァンライフ:1

初投稿です。

今の世の中たくさんのハードだったりソフトだったりする素晴らしいSFにあふれていますが、ある日突然SFを書いてみようと思ったのはやっぱり、さまざまな時代の心の中に広大な物語を潜ませて、どんな状況でも自分の中にある世界を大切に拓き続けてきた人たちに憧れがあったのだと思います。

 

いろいろキャリア的にも変化があったりして、自分もちょっと仕事とは関係なしにこういうドおたく的というか、ぎーくぃな趣味をまじめに楽しんでみようと思ったので、つたないながらもこのようなSFを挙げてみようと思ったわけです。

 

まだまだ読み込んできた活字の量も少ないし、演出としてもっと作りこむべき部分はたくさんあるようにも思うけど、このままどこにもアップせずにローカルフォルダのアビスへと葬られるだけでは趣味として成り立たないようにも思えたので、自分に宣言する意味も含めて、とりあえずここにアップしてみようと思います。。。それでは!

 

80光年のヴァン・ライフ:1

2021年、宇宙にはすでにたくさんの駅があった。
1977年に出発した探査機は、私のあこがれで、7歳の私はかのはるかなる旅をずっと夢見ていた。
小学校に入り、社会というものに初めてでて、それまでのように星のことを考えてばかりいられなくなって、私がその憧れを思い出すまでに気がついたら40年もの月日が経ってしまっていた。
40年…コンピューターは発達に発達を遂げ、ネットワークは密になり、この世に残された人類の進化の余地はもはや飽和状態にさえあるかのようだった。
だが、意外にも人類を地上の呪いから解き放ったのは40年も前に飛ばされた貧弱なコンピューターのテレメトリーデータであった!
すなわち、宇宙には既に何者かによって作られた"駅"の存在であった。
それらを行き交う交通手段及びエネルギーとそれを用いている種族がいるということを…
人類はしばらくして、彼ら恒星間航行種族の仲間入りとなり、2012年、国連の恒星間エネルギー局は民営化された。
かつての一生に一度できるかという旅といえば世界を一周することだったのに対し、銀河を行き来することがもはやパスポート一枚あれば誰でも時間をかけることなく可能になっていた。